汚くない?汚泥?
~建設汚泥のある誤解~
「汚泥(おでい)」という言葉を聞いて、どんなイメージが浮かびますか?
にごった泥水、汚染された土、汚いもの……そんな印象を持ってしまう方も多いかもしれません。
実は、「建設汚泥」と呼ばれるものの多くは、有害なものではありません。
むしろ、建設の現場から生まれ、再び社会に役立つ“資源”として活用できる大切な資源なのです。
【建設汚泥とは】
建設汚泥とは、トンネルや地下構造物の掘削工事、道路やビルの基礎工事などで発生する、水分を多く含んだ土のことを指します。
これは、地面を掘るときに水と混ざりあってどろどろになった“土”です。
粘り気があり運びにくく、工事現場では一時的に「処理が必要なもの」として扱われますが、化学的に汚染された廃棄物ではありません。ちなみに、化学物質や有害物質(農薬、重金属、石油など)に汚染された土は一般的に「汚染土壌」と呼びます。
建設汚泥には、その状態や構成によっていくつかの種類があります。例えば
- 泥土系汚泥:柔らかく粘性が高い(クリーム状、ペースト状)
- 砂質汚泥:粒子が粗い。(水分を含んでいるがサラサラとした性質)
これらは性質によって処理方法が異なり、それぞれに最適なリサイクル手法が選ばれます。
【処理方法】
建設汚泥は、以下の工程を経て再資源化されます。
- 建設汚泥発生
→ 掘削や基礎工事で地下から掘り出された土に水が混ざった状態の土(泥)です。 - 吸水造粒処理
→ 繊維質改良材により土の中の水分を吸収し、造粒します。 - 安定化処理
→ 石灰やセメントなどを混ぜて強化し、固形状の「改良土」にします。 - 再利用
→ 土木工事の埋戻し材、造成地の整地材、道路の基盤などに活用されます。

つまり、「役割を終えた土を、再び使えるようにするプロセス」なのです。
建設汚泥は無害な資材
字面で見ると「汚泥」という言葉は、確かに見た目や響きから誤解を受けがちです。
しかし、建設汚泥は単なる「廃棄物」ではなく、「次世代のインフラを支える資源」へと生まれ変わる存在です。近年では、持続可能な社会の実現に向けて廃棄物の削減や資源の循環利用が大きなテーマになっています。
建設汚泥のリサイクルは、限られた処分場の延命にもつながり、環境への負荷を減らすという意味でも重要です。さらに、きちんとした処理とマニフェスト(産業廃棄物管理票)制度といったトレーサビリティを確保することで、事業に透明性をもたせて、企業や自治体の社会的信頼性の向上にも寄与することになります。
これらのような「建設汚泥」という資源に対しての理解や興味の一助になれたら幸いです。
弊社では、建設汚泥の適正処理・再利用に積極的に、地域と環境にやさしい社会の構築に取り組んでいきます。建設汚泥のリサイクル、土木事業についてのご相談などございましたら、弊社ホームページのお問い合わせフォーム、お電話で対応させていただきます。お気軽にお問い合わせください。